ショートショート①『神経質な箱』

ショートショート

 心理とはあまり関係のないお遊びの投稿です。小さい頃は本を読むのは苦手でしたが、星新一さんのショートショートシリーズは楽しく読んでいたのを覚えている管理人です。

 そこで今回は「ショートショート」というシリーズをはじめようと思います。ここでは、何となく臨床の場でも役立ちそうな教訓めいたモノをモチーフにショートショートを書いていこうと思います。一応オリジナルですが、創作はしたことないので知らず知らずに記憶にあるものを書いてしまっているかもしれませんので、そこはオマージュということでお許しください。それではしばしお付き合いください。

本編

ここに箱がある。変哲のない箱だ。

小物を入れるのに丁度いいくらいのサイズに見えるが、中々これと言った使い道がない。

何かを入れようと思ったら少し大きいし、他の何かを入れようと思ったら少し小さい。

サイズがいいくらいかと思ったら厚さが足りないし、サイズがぴったりかと思ったら、どうも柄がしっくりとこない。

役に立たないこの箱を捨てようと思ったが、どうも処分するのにしにくい形だ。捨てることさえもしっくりこない。

そもそもこの箱には何が入っていたのだろうかと考えても、思い出せない。何か大切らしい何かが入っていたような気もするが、そうでない気もする。何より誰かからもらったのか、どこで手に入れたのか思い出せない。

じっくり考えてみるために、職場へもっていった。とりあえずデスクに置いてみることにした。

するとある日同僚が、その箱に興味を示し、じっと注意深く眺めた後、その箱をくれないかと言ってきた。捨てるのさえためらっていた箱だが、そうするのが良いと思えたので、その同僚にあげることにした。

手放してみると、どうしてこんなに神経質だったのだろうと思えてきた。あんな箱なんてどうでもいい箱だ。どうしてこんなに気になっていたのだろう。

ふと同僚の方を見ると、同僚は神経質にその箱を眺めていた。

今回の教訓

 何でも自分のせいと思わないほうがいい。

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