書籍紹介『居るのはつらいよ』

雑記

 今回は本のご紹介です。医学書院から出版された書籍です。精神科デイケアに赴任した心理士の目線で記された奮闘記です。フィクションですが、著者の東畑氏の体験や取材をもとに描かれているので頷ける内容が多いです。

扱っているテーマ

 心理士のアイデンティティとは何なのかを考えさせられますし、副題にある通り、ケアとセラピーの相違や重なる部分についての議論が散りばめられています。またこのケアとセラピーについての考えは、心理士に限らず対人援助職についている人に当事者意識をもたせる内容になっています。対象が精神科デイケアという狭い領域の話ですが、反響を見ているとなぜか幅広い領域に対しても重なる部分が多いようです。その一つの要因として、ケアと会計の問題が背後に描かれているからだと想像します。どの分野でも自身のやっていることについて十分な予算や人員配置が行われていないことに気づいているのだと思います。ケアについては、その行為が費用対効果の面で(言い換えれば経済的な面で)お金が発生しづらい現実があるということに気づきながらもどうしようも出来ないもどかしさが根底にあるのだと思います。

読んでほしい人

精神科デイケアの実習に来た学生には読んでほしいと思います。またキャリアにかかわらず、その経験年数によっても感じるものが変わってくるのではと思います。

居るのはつらいよ ケアとセラピーについての覚書 (シリーズ ケアをひらく) [ 東畑 開人 ]
価格:2200円(税込、送料無料) (2021/8/6時点)楽天で購入
管理人
梅干し大吟醸

病院で働いている臨床経験約10年の臨床心理士、公認心理師、精神保健福祉士です。心理士の視点から見たさまざまな事柄を書いていきたいと思います。

梅干し大吟醸をフォローする
雑記
梅干し大吟醸をフォローする
梅干し大吟醸の「心理のブログ」

コメント

タイトルとURLをコピーしました