多職種から心理の視点を求められた時のコツ

心理のコツ

はじめに


 集団への関わりは、多職種が協同して実施しています。たとえば大規模デイケアであれば、医師、看護師、作業療法士、精神保健福祉士とともにリハビリを行っていきます。そんな中で、心理士/師の意見を求められることが多いと思います。専従のスタッフとして意見を求められる場合もあるでしょうし、週に数日だけ顔を出している際にコンサル的に意見を求められる場合などがあると思います。そんな時にどのようなことを考えたら良いかを書いていきたいと思います。

心理士が一番見えているわけではない

 まず確認しておかなくてはならない のは、心理士が全て見えてるわけではないということです。特に週に数日だけ入っている場合は当該メンバーのことをよく知らない場合も多いからです。この前提がないと、心理の専門家として自分が一番心理について言えなければならないと思い込んでしまい、気負いすぎて的はずれな意見を言ってしまうことになりかねません。あくまで一視点を提供するという心の余裕が必要です。

何よりも現状の整理をしよう


 スタッフから意見を求められるということは、まず心理士である自分自身がまだ困った感じをもっていない可能性があります。困った感じを想像できていない時に、良い助言はできません。そして重要なことは、当該メンバーは困っていない可能性すらあるということです。その場合、困っているのは意見を求めてきたスタッフその人ということになります。その意味でも誰が何に困っているのかを整理することが必要になります。状況を整理するだけでスタッフの困り感が消える場合さえあります。

まずはねぎらうこと


 先にも述べましたがあくまで一つの視点を提供するということが第一歩目になります。心理の視点を導入したから事態が劇的に改善したということがあれば良いですが、なかなか難しいことです。困っている当人たちは様々な取り組みをこれまでしてきているはずですから、困難なケースであって然るべきです。これまでの取り組みに対してねぎらいの気持ちを持つことは重要になります。そしてこれまでの関わりにヒントが隠れていることも多々あります。

これまでの関係をリフレーミングしてみる


 そして提供する視点は提供する心理側のオリエンテーションによっても変化します。よって立つ考え方が、精神分析の視点なのか、応用行動分析の視点なのか、ナラティブアプローチの視点なのか(他にもたくさんありますが)それぞれみなさん違うと思います。それぞれの分野にとってコンサルテーションの仕方は違うと思いますし、各ケースによって対応も変わってきます。ですので、具体的な各種技法には触れません。というより触れられません。
 しかしオリエンテーションは違えどケースによって違えど共通して発揮される効果というのはあると思います。それは、停滞した現状を変えうるかもしれないというスタッフ側の物語の展開です。スタッフ側に停滞感があるとなかなか良い方向には進まないことが多いです。なのでここで第一に考えるのは、現在の関わり以外にも違う道筋もあり得るというリフレーミングが重要になります。具体的な心理的介入だけでなく、状況を違った見方で見ることの提案が何よりも大切になります。

おわりに


 特に心理の一人職場などでは色々と聞かれることがあると思います。ここでいい提案ができれば、心理職って役に立つなと思ってもらえることでしょう。ただあまりにそのことばかり考えすぎて空回りしないように気をつけましょう。また、キャリアが自分より上の多職種への提案は気が引けますが、違う視点を提供するという意味では初学者の方が価値のある視点を出せることもあります。めげずに、しかし気負わず提示してみましょう。

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