一対多数でもめごとが起こった時の対処のコツ

心理のコツ

はじめに

 精神科デイケアなど集団精神療法の場面ではもめごとはよく起こります。一対一のもめごとについては、以前の記事で取り上げました。

メンバーの間で”もめごと”が起こった時の対処のコツ

 そこで今回は一対多数の場合を考えたいと思います。たとえば、一人のメンバーの行動に対して複数のメンバーからの苦情であったり、それに起因する嫌悪感などが出てくる場合などです。

基本的な対応は一対一のもめごとと同じ

 一対一の場合と基本的には同じです。それぞれ一人ずつ場所を変えて話を聞くなどといったものです。ただし、一対多数になると平等に聞くということが難しくなります。多数派の方がどうしても力を持ってしまうことが多いからです。

噂話にのみこまれないようにする

 一対多数ではメンバーの中で「あの人嫌だよね」というようなうわさが広がってしまっている可能性があります。当該メンバーが問題行動を起こす人としてラベリングされてしまっている可能性があります。

 そのため、スタッフの介入としては、メンバーそれぞれが当該メンバーの行動で何に困っているのかを解きほぐすことが必要です。当該メンバーへの陰性感情が全面に出ているだけで、具体的に困っている出来事は意外になかったりする場合さえあります。よくある言い方としては「〇〇さんは困ってるらしい」といったことがよく聞かれる気がします。そんな場合は多数派側の当人自身が何に困っているのかを一つずつ確認していく必要があります。

多数派同士も別々に聞き取りをする

 対立している人を別々に聞きとるということに加えて、一対多数では、多数派の側の人もそれぞれ聞き取ることが大切になります。いっぺんに聞き取ってしまうと、連帯感だけが生まれてしまって「あの人もこう思ってる」「こんな嫌なところもあった」と粗探しになってイメージが固定しまうことが多いです。

集団の理念や受け入れる力

 最低限の社会のルールは必要ですが、それぞれの症状を抱えながら生活してると許容し合う方がよい事柄も多くあります。これは明確なルールというよりはその都度その都度集団のルールを見直していく必要があるものだと思います。何も精神科集団精神療法の場だけでなく、どんな集団にも当てはまると思います。ダイバーシティの考え方や、もっと根本にさかのぼれば、民主主義の考え方が根付いているかなど集団の受け入れる力をどこまで普段から意識できているかにもつながってきます。

みんな当事者になりうることの再確認

 誰もが一対多数の”一”の側になりうるということを意識してもらうことが大切です。具体的にはということは難しいですが、少なくともスタッフの立場としては、”一”の立場にある人への配慮は忘れないようにしなければなりません。

スタッフの権力性

 そしてさらに重要なことは、スタッフは数的には少数派ですが、力としては多数派のメンバーよりも力を持っているということです。スタッフが権力をもっているということは、現在の制度上これは動かしようのない事実です。このことはいつであれ意識しなければなりません。スタッフの動きによってまた別の”一”を生み出してしまうかもしれないことを肝に銘じる必要があります。

まとめ

 問題が生じた時の対応も大切ですが、普段からの集団の理念や受け入れる力などを醸成させていく意識も必要になってくると思います。

 問題が生じた時は、集団の受け入れる力を見直すいい機会ととらえることも必要になってきます。

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