アドバイスを求められたと感じたとき

心理のコツ

はじめに

 対人援助職に限らず日常の様々な場面でも、アドバイスを求められたと感じることは多いと思います。特にこのような記事に興味のある方や、対人援助職に就いている方は何とかしてあげたいという相手の気持を慮る傾向の高い人が多いと思います。今回はアドバイスを求められたと感じたときに考えるポイントについて書いていきたいと思います。

意見を言うのは悪いわけではない

 何気なく聞かれた質問について、自分自身が難なく答えられる事柄については答えるのは問題ないと思います。その代表的なものにアドバイスを求めるというより、意見を求められるという場合です。心理的な関わりではアドバイスはしてはいけないという風潮があるかもしれませんが、「私ならこうすると思うな」という押し付けた感じにならないのであれば構わないと思います。
 ただしアドバイスを採用するかどうかは本人の側にあることを忘れてはいけません。ただあなたの意見を聞きたかっただけの場合も往々にしてあります。

そもそもアドバイスを求められているのか?

 そもそもの話になってしまいますが、当該事例はアドバイスを求められているのでしょうか。たとえば「夜寝られていないのだけど、どうしたらうまく寝られるようになりますか?」と聞かれているならアドバイスを求められているということだと想像されます。しかし「夜寝られてないんですよ、どうしよう…」と言ってこられた場合これはアドバイスを求めているのでしょうか?もちろん具体的なアドバイスを求められている場合もあると思いますが、必ずしもそうではありません。何を相手が期待しているのかわからない状態で次々とアドバイスや対策を言っていくのは得策ではありません。まずは「寝られないんですね。どうしましょう…」と語りを待ってみる心の余裕が必要になります。

現状での解決策を聞いてみる

 アドバイスを求めてこられるときは、自分の解決策を全くもっていないということはあまりありません。何かしらの対策は持っておられますが、うまく行かなかったり、後押しをしてほしいと思っておられることが多いです。そのためにまずは、本人の考え方や解決策を聞いていくことが大切になります。こちらも万能ではないので少し話を聞いただけで、解決策をすぐ提示できるということはありえません。こちら側に万能感が生まれてきている場合は要注意です。

自分のモヤモヤの解消は目指さない

 もっとも気をつけなければならないのは、アドバイスを求められたのに答えられなかったという思いをしたくないと、よく考えもせずに言葉を発してしまうことです。困っている人を目の前にすると、こちら側までが不安な気持ちになってきます。こちらの不安感やモヤモヤ感の解消のためのアドバイスは絶対にしてはいけません。もしいい対策が見つからないのであれば一緒に悩み考えるという焦らない姿勢が大切になります。

おわりに


 アドバイスを求められていると感じたときには意外にアドバイスを求められていないことが多いです。自身の不安な気持ちが出てきていないかのチェックは忘れないようにしましょう。

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