はじめに
この記事では対人援助の場で関わっていて注意する必要のある状態を書いていきたいと思います。私「梅干し大吟醸」が現場にいて痛い目にあったことから書いていこうと思います。第六回目は「流行っている理論や技法に飛びついた時」についてです。
もちろん勉強は大切だけど…
心理の業界は特にかもしれませんが、新しい治療法や技法がよく出てきたりします。もちろん、そういった最新の情報に触れることは大事ですが、思考停止して取り入れるのは危険があります。キャッチーなキーワードが出てくるとその言葉を覚えたり使ったりすると技法に馴染んだような気がしてしまいますが要注意です。また、もちろん大前提としてエビデンスがあるのかという見極めも大切になります。流行っていることや、権威のある人が書いているだけで無条件では現場で使えないというものも多くあります。
エビデンスは大事だけど全てではない
それぞれの個別のケースは教科書には載っていないことを忘れてはいけません。ケースのために技法があるのであって、技法のためにケースがあるわけではありません。いくらエビデンスがあるからと言っても思考停止して取り入れるのは百害あって一利なしです。
逆に言えばエビデンスがあるとされた技法だけではどうにもならない場合が一定数あります。そういった個別の対応の成果が、一つの概念としてまとめられていることもあります。そして何より個別性を含みこんだ上でエビデンスを出しているものがほとんどです。当該技法を扱うに当たっての実施者の態度や能力などももちろん加味されています。
仮説であることを忘れない
もちろん導入するときにはエビデンスのあるものが第一選択肢にするのはもちろん必要ですが、導入後は仮説の再検証が常に必要です。どのような理論も仮説であるので常に再検証の眼差しが必要です。エビデンスがあると思うとその先の個別ケースにとって効果があるのかの点検がなおざりになってしまうことがあります。個別ケースにとって役立つものかという視点が欠かせません。
おわりに
統計的なエビデンスを重視することと同じくらい、個別性に気を配るという姿勢は常に必要になります。権威主義なものから距離を取るためのエビデンスなのであって、決してエビデンスがあることを権威主義的なものにしてしまわないようにする必要があります。
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