ショートショート②『欲張りなカナヅチ』

ショートショート

「ショートショート」というシリーズの第2回です。ここでは、何となく臨床の場でも役立ちそうな教訓めいたモノをモチーフにショートショートを書いていこうと思います。一応オリジナルですが、創作はしたことないので知らず知らずに記憶にあるものを書いてしまっているかもしれませんので、そこはオマージュということでお許しください。それではしばしお付き合いください。

本編

ある日の夜中テレビショッピングで”欲張りなカナヅチ”という商品が紹介されていた。大工ではないし、DIYもやらないが、面白い名前なので衝動的に注文した。カナヅチは忘れた頃にやってきた。

特に用事はなかったが、せっかくなのでカナヅチを持って家の中を見回してみた。すると、本棚の釘が取れかかっているのに気づいた。これは良いと早速打ってみたが、なるほど使いやすい。

翌日には下駄箱の釘が出ているのに気がついた。早速カナヅチで打ってみる。

そこから毎日出ているものが気になり出した。何を見ても気になるのでカナヅチはいつも鞄の中に入れるようになった。出る杭を見るたびにカナヅチをふるった。

ある日のこと会社での営業成績のグラフが張り出されることになった。不況の中一人だけ突出して売り上げている人がいた。振り返るとその突出した成績を自慢気に語る同僚がいた。

私は無意識に鞄の中に手を入れていた。

教訓

特定の技法を妄信しないこと。他のやり方もある。

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